税理士の選び方——初めて頼む方へ、面談で聞くことと見積書の読み方
更新日:9月1日
「そろそろ税理士に頼んだほうがいいのだろうか」 「探してみたけれど、どこも同じことが書いてあって、違いが分からない」
初めて税理士を探すとき、多くの方がここで止まります。比べる基準を持っていないからです。
この記事では、基準そのものをお渡しします。そもそも依頼すべきかの判断から、面談でそのまま使える質問、見積書のどこを見るかまで。読み終えたときに「次に何をすればいいか」が決まっている状態を目指します。
※記載は2026年9月時点の一般的な実務です。
その前に:まだ頼まなくてよい場合もあります
営業を目的にした記事なら「早く頼むべき」と書くところですが、実際にはそうとは限りません。次のような状況なら、もう少し様子を見てよいと考えます。
売上が小さく、取引の種類も少ない(白色・簡易な青色で自分で申告できている)
会計ソフトを使っていて、申告で困ったことがない
特殊な取引(不動産の売買・相続・海外・株式の異動など)が当面ない
逆に、次のどれかに当てはまるなら、早めに相談する価値があります。あとから遡って直すほうが、時間もお金もかかるからです。
法人を作った/作ろうとしている(設立時の届出には期限があり、出し忘れると税額が変わることがあります)
消費税の課税事業者になりそう(届出の要否と期限の判断が要ります)
従業員を雇った(給与計算・源泉徴収・年末調整が発生します)
開業したばかり(開業前の支出の扱い、青色申告の承認申請の期限など、初年度にしか決められないことがあります)
売上や取引が増えて、自分で処理する時間が惜しくなってきた
💡 迷ったら「期限があるものが視界に入ってきたか」で判断してください。 期限のあるものは、過ぎると選択肢が消えます。
まず決める:何を頼みたいのか
ここを決めずに探し始めると、比べられません。大きく3つあります。
頼みたいこと | 中身 | 向いている方 |
① 作業を任せたい | 記帳代行・給与計算・申告書の作成 | 経理の手が足りない/時間を買いたい |
② 相談相手がほしい | 資金繰り・投資・節税・将来の見通しの相談 | 数字を経営判断に使いたい |
③ 両方 | ①+② | 多くの事業者はここ |
①だけなら、価格の比較で選んでも大きくは外しません。 ②が入るなら、価格より「話しやすさ」と「事業の理解」で選んだほうが満足度が高くなります。 相談は、聞きたいときに聞けなければ意味がないからです。
見るべき5つのポイント
1. 税理士登録を確認する
これは調べれば誰でも確認できます。日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で、氏名や事務所名から登録の有無・登録年・所属税理士会を確認できます。
税理士でない方が、税務代理・税務書類の作成・税務相談を業として行うことは税理士法で禁止されています(記帳代行そのものは税理士でなくても行えます)。「記帳のみをお願いする」のか「申告まで含めてお願いする」のかで、確認の必要度が変わります。
2. 得意分野が自分の事業と合っているか
税理士は全員が同じ仕事をしているわけではありません。医療、建設、不動産、相続、国際税務——事務所ごとに、実際に多く扱っている領域があります。
サイトに書かれている「対応可能」ではなく、「実際に何件くらい扱っているか」を面談で聞いてください。 対応可能と書くのは簡単です。
3. 料金の考え方が説明できるか
金額そのものより、「なぜその金額なのか」を説明できるかを見ます。良い説明には、必ず「どこまでが含まれるか」が入ります(→ 見積書の読み方は後述)。
4. 連絡手段と、返事の速さの目安
これは後から効いてきます。
連絡手段は何か(メール/電話/チャット/LINE/面談)
「◯営業日以内に返す」といった目安があるか
繁忙期(確定申告期・決算期)はどうなるか
「いつでもご連絡ください」は、目安としては情報がゼロです。具体的な期間を答えられるかを聞いてください。
5. 使っている会計ソフトと、その理由
クラウド会計(freee、マネーフォワード等)を使うのか、事務所独自のソフトなのか。どちらが優れているという話ではなく、あなたが自分でも数字を見られるかどうかが変わります。
「事務所側でしか開けないソフト」だと、あなたが見たいときに見られません。将来ほかの税理士に引き継ぐときの手間も変わります。
見積書のどこを読むか
ここが一番、後のトラブルを防ぎます。金額の大小より、次の4つが書いてあるかを見てください。
含まれる業務の範囲 — 記帳は誰がやるのか(自分/事務所)、給与計算は入るか、年末調整は入るか
決算・申告料が別か、込みか — 月額が安く見えても、決算時にまとまった金額が加算される設計があります。年間の総額で比べてください
消費税の申告が発生したときの扱い — 加算されるのか、含まれるのか
範囲外の作業をお願いしたときの料金 — 時間単価なのか、都度見積りなのか
💡 比べるときは「月額」ではなく「年間の総額」で並べてください。 月額だけを見ると、決算料や消費税申告の加算がある設計と、ない設計を同じ土俵で比べてしまいます。
面談で使える5つの質問(そのままどうぞ)
無料相談や初回面談で、これだけ聞けば十分に比較できます。
「私と同じくらいの規模・業種のお客様は、どれくらいいらっしゃいますか」
「年間の総額でいくらになりますか。決算料と、消費税申告が出たときの扱いも含めて教えてください」
「質問したとき、だいたい何日くらいでお返事いただけますか。確定申告の時期はどうなりますか」
「記帳はどちらがやる前提ですか。私が自分で入力する場合、料金は変わりますか」
「担当は先生ご自身ですか、スタッフの方ですか」
答えの内容以上に、「即答できるか」を見てください。 普段から言語化している事務所は、この5つを迷わず答えます。
「合わないかもしれない」サイン
事務所の良し悪しではなく、あなたと合わない兆候として挙げます。
見積りが一式いくらで、内訳の説明がない
節税の話ばかりで、リスクや条件の説明がない(うまい話には必ず条件があります)
質問への回答がその場しのぎで、後日の確認を約束してくれない
契約を急がされる
いずれも「悪い事務所」という意味ではありません。説明の丁寧さを重視するあなたと、合わない可能性があるというだけです。
よくある不安
「遠方でも大丈夫ですか」 オンライン中心の事務所であれば、距離はほぼ問題になりません。ただし、対面をどれくらい希望するかは先に伝えてください。年1回は会いたいのか、全部オンラインでよいのか、で選ぶ事務所が変わります。
「合わなかったら変えられますか」 変えられます。税理士の変更は事業者として普通の選択です。ただし段取りとタイミングがあるので、税理士の変え方にまとめました。
「まだ何も準備できていないのですが」 準備は不要です。むしろ何も整理されていない状態のほうが、実態が正確に分かります。 整えてから相談する必要はありません。
まとめ
まだ頼まなくてよい場合もある。判断の目安は「期限のあるものが視界に入ってきたか」
探す前に「作業を任せたいのか/相談相手がほしいのか」を決める
見るのは登録・得意分野・料金の説明・返事の速さ・会計ソフトの5つ
見積りは月額でなく年間総額で、含まれる範囲を確認する
面談は5つの質問で足りる。内容より「即答できるか」
当事務所にできること
上に書いた基準に、当事務所がどう答えるかも書いておきます。ご自身で比べる材料にしてください。
得意分野:医療クリニックとIT・Web事業を専門にしています。代表は上場企業の経理・IPO準備企業の経理マネージャーを経て独立しました
料金:年間の報酬を12分割した定額の月額制です。決算料の上乗せはなく、消費税申告による加算もありません。含まれる範囲は契約時に書面で明確にします
会計ソフト:freeeを中心としたクラウド会計です。ご自身でもいつでも数字を見られます
担当:代表税理士が直接担当します
やり方:記帳チェックや期限管理といった定型の作業を仕組み化し、その時間をご相談に使っています。判断と責任は税理士が負います
「うちの場合、そもそも頼むべきなのか」からで構いません。 初回相談は30分無料です。その場で契約をお願いすることはありません。 お問い合わせフォーム、またはLINE(https://lin.ee/zkv6DDH)からどうぞ。
※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。記載は2026年9月時点の一般的な実務にもとづきます。個別の取り扱いは状況により異なりますので、具体的な判断は税理士にご確認ください。

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