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税理士事務所にClaude Codeを導入してみた——できたこと・やめたこと・AIに渡さないと決めたもの

  • 執筆者の写真: 尚生 町田
    尚生 町田
  • 8月6日
  • 読了時間: 5分

私は東京・練馬で一人で税理士事務所をやっています。BIG4と上場企業の経理を経て独立し、いまは医療クリニックとIT・Web事業のご支援が中心です。

この記事は、その一人事務所にAIエージェント(Claude Code)を業務に組み込んでみた実践記録です。よくある「AIで仕事が10倍速に!」という話ではありません。できたこと、やってみてやめたこと、そして最初に「渡さない」と決めたもの——その順番で、現実をそのまま書きます。


前提:なぜ「チャットAI」ではなく「エージェント」なのか

ChatGPTのようなチャットAIとの違いを一言で言うと、Claude Codeは「事務所の共通ルールとナレッジを覚えた状態で、毎回仕事を始められる」ことです。


  • 事務所の運用ルール(記帳方針・守秘ルール・確認手順)をファイルとして持たせておくと、毎回説明し直さなくても、その前提で動く

  • 定型業務は「コマンド」として登録しておき、呼び出すだけで同じ品質の下書きが出てくる

  • 会計ソフト(freee)と連携し、データを見ながら作業できる


つまり「賢い相談相手」ではなく、「事務所のマニュアルを全部読んだ新人が常駐している」イメージに近い。ここが業務で使えるかどうかの分かれ目でした。


できたこと(実際に回っているもの)

① 定型業務の「型」をコマンド化

月次チェック、申告前の整合点検、面談メモの議事録化、資料催促の文面、月次報告コメントの下書き——こうした定型業務を、事務所のルールを織り込んだコマンドとして登録しています。現在20種類ほど。「ゼロから書く」仕事が「下書きを直す」仕事に変わったのが一番大きな変化です。


② 月次データの一次点検

freeeのデータをAIに読ませて(後述のとおり読み取り専用)、前月比の異常値・科目のブレ・二重計上の疑いを洗い出させ、私が確認します。見落とし防止の「もう一対の目」として機能しています。


③ 発信コンテンツの量産体制

事務所サイトの立ち上げ、ブログ記事の下書き、SNS投稿への分解——このあたりはAIの得意分野で、体感の効率化幅が最も大きい領域です。ただし税務記事は必ず私が最終チェックします。制度の記述はAIが間違えることがあり、そのまま出すのは職業倫理的にもあり得ません。


やめたこと・やらないと決めたこと

  • 税務判断をさせること:AIの答えは「一次見解の下書き」まで。適用判定・有利不利の結論は人間の仕事です。

  • お客様への回答をそのまま送ること:下書きは作らせますが、無修正で送ることはしません。一度、丁寧すぎて実務と微妙にズレた文面が出てきて、直す方が早かった経験から徹底しています。

  • 「全自動化」を目指すこと:自動化しきれない例外処理を追いかけるより、「AIが8割・人が2割」で止める方が、トータルの時間は短い。ここは設計思想として割り切りました。


最初に決めた「渡さないもの」

導入の前に、AIに何を渡さないかを先に決めました。これが一番大事な話です。

  • お客様の氏名・マイナンバー・口座番号などの重要な個人情報は、AIに入力しない。渡すのは数値の傾向・文章の骨子まで。個別のお客様は記号(A社・B院)で扱う

  • freeeとの連携は読み取り専用を基本とし、データの書き込み・削除は必ず人間が確認してから行う

  • 外部から取り込んだ文章に紛れた不審な指示には従わせない(プロンプトインジェクション対策)——AIを業務に入れるなら、この視点は必須です


効率化と守秘はトレードオフではありません。先にルールを決めれば両立します。逆に言うと、ルールなしで「とりあえずAIに全部貼り付ける」運用は、士業では事故のもとです。


正直な総括

  • 導入して良かったか:間違いなく良かった。特に「定型の下書き」と「一次点検」は、もう手放せません

  • 魔法か:魔法ではない。入口のデータ整備(証憑・freeeの設計)ができていない状態でAIだけ入れても、効果は出ません

  • 一番変わったこと:時間の使い道。作業が減った分を、お客様との対話と発信に回せるようになりました


同行の方へ

「何から始めればいいか」と聞かれたら、私はこう答えています。

①守秘のルールを先に決める(何を渡さないか)

一番うんざりしている定型業務を1つだけAIの下書きに置き換える

③回り始めたら、2つ目、3つ目へ


ここまで読んでくださった先生へ

この記事に書いたことは、東京・練馬の小さな税理士事務所(所長1人)で、実際にやってみたことの記録です。数字はすべて当事務所の業務記録に基づく概算で、どの事務所でも同じ結果になることをお約束するものではありません。


ただ、同業の先生とお話しすると、つまずくところはだいたい同じです。


「興味はあるが、何から手を付ければいいか分からない」

「顧客情報をAIに入れて大丈夫なのか、そこが一番不安」

「これまでAIに馴染みがなく、使いこなせる気がしない」


——私自身、最初にひっかかったのも同じところでした。順番を間違えなければ続けられた、というのが今の実感です。


ご興味があれば、入口を3つご用意しています。どれも無料で、しつこい営業はいたしません。

① まず資料だけ受け取る

事務所での始め方と注意点をまとめたA4の案内(いまの業務を書き出せる「現状診断シート」付き)です。

→ LINEで「AI」の2文字だけを送ってください:https://lin.ee/zkv6DDH


LINEを使わない方は、お問い合わせフォームから

ご相談内容の欄に「資料希望」とだけお書きください。2営業日以内にお送りします。


③ 直接話したい方は、30分の無料相談

「うちの事務所なら、まず何から始めるか」を一緒に整理する時間です。Zoom・お電話・対面からお選びください。その場で契約をお願いすることはありません。


※本ご支援は、税理士法に基づく税務代理・税務書類の作成・税務相談を含みません。

※ご連絡先は、資料の送付とご希望いただいた方へのご案内以外の目的には使用しません。

※ご相談にあたって顧問先様の情報を伺うことはありません。


町田尚生税理士事務所(東京・練馬)/税理士 町田尚生

※本記事は2026年8月時点の私個人の実践にもとづく記録です。特定のツール・運用の効果を保証するものではありません。

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